長次郎作 二彩獅子像 1574年制作 (重要文化財)
樂焼は桃山時代(16世紀)樂家初代長次郎によって始められました。樂焼の技術のルーツは中国明時代の三彩陶です。桃山時代には京都を中心にそうした色鮮やかな三彩釉を用いる焼物が焼かれはじめていましたが、長次郎もその技術をもった焼物師の一人であったと考えられています。古文書には長次郎の父にあたる唐人・阿米也なる人物が記載されており、作品こそ残されていませんが、この人物こそ中国から三彩陶の技法を伝えた人物といえます。
長次郎の残した最も古い作品は二彩獅子像、天正2年(1574)春につくられました。
おそらく樂茶碗が造られるのはそれより数年後、天正7年(1579)頃ではないかと考えられています。