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樂焼のルーツは中国時代の三彩釉。 そして今、樂焼は再び海を渡って世界に広がる。 世界語となったRaku-yakiとして。

樂焼のルーツ

…樂焼の技法はどこでうまれたの?

 近年の研究によって、樂焼のルーツは中国河南地方の明時代三彩釉であるということがわかりました。緑や黄色、褐色釉など色鮮やかな三彩釉は、のちに交趾焼などとも称されています。日本に於いても桃山時代、中国明時代の三彩釉(華南三彩)を模した焼物が盛んに焼かれ、長次郎の窯もその一つと考えられます。しかし焼成・釉技術など基本的には同じ範疇に属すといえますが、造形、釉調にいたる美意識は中国華南三彩とは大きく異なります。色釉釉から黒釉、あるいは聚樂土の色を生かした赤色の茶碗、樂茶碗は中国華南三彩のカラフルな色釉技法をつかって黒と赤のモノトーンの世界を表現します。そこには長次郎に深い影響をあたえた千利休の「侘茶」の思想・美意識が濃厚にうかがえます。

中国華南三彩(16~17世紀) 長次郎作 黒樂茶碗 勾当(16世紀)
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